抗酸化とは?老化を防ぐ習慣や抗酸化物質について解説

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抗酸化とは?老化を防ぐ習慣や抗酸化物質について解説

はじめに

最近よく耳にする『抗酸化』という言葉。さまざまな食品やサプリメントがあふれる現代で「抗酸化剤」とか「抗酸化物質」などと呼ばれる、ビタミン類やポリフェノール類が注目されています。「何だか体によさそうだけど、一体どんなもの?」と、思われている方も多いはず。今回は、『抗酸化』についてわかりやすく解説していきます。

酸化について

大気中に約20%の含まれる酸素を利用し、ヒトは生命活動を維持しています。酸素は外部からのさまざまな刺激を受け、反応性の高い活性酸素に変化します。呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が、通常の状態よりも活性化された活性酸素となり、微量であれば活性酸素は細胞伝達物質や免疫機能として働く一方で、過剰に産生されるとヒトの体を構成する要素(核酸・蛋白質・脂質など)を変性させていくのです。活性酸素によって体の細胞が傷つけられることで、以下のようなリスク要因となります。

  • 体の老化や血管の老化
  • がん・心血管疾患・生活習慣病
  • シミやシワ、肌荒れなどの肌トラブル など

活性酸素を大量に発生させてしまう要因として、紫外線・タバコ・アルコール・大気汚染・食品添加物・精神的ストレスの他、パソコン・携帯電話から出る電磁波がなども挙げられます。以上からわかるように、私たちが暮らす現代社会では、体が活性酸素によって錆びる環境に取り囲まれていると言えるでしょう。

抗酸化とは

活性酸素の働きや発生を抑える抗酸化作用がエイジングケアには不可欠です。私たちの体は活性酸素を抑えるための抗酸化酵素や抗酸化物質を持っていますが、加齢によりその量は減少していきます。抗酸化作用のある栄養素が含まれた食品を摂ることで抗酸化物質を補うと同時に、活性酸素を増やさない生活を心掛けることも大切です。

生活習慣の改善によって、活性酸素発生のリスクを下げよう

【煙草(タバコ)】

タバコは多量の活性酸素を発生させるだけでなく、抗酸化物質の一つであるビタミンCを壊すと言われています。活性酸素はタバコに含まれるタールなどの発がん性物質と結びついて、細胞のがん化を促すと考えられています。喫煙する方にとって急な禁煙はなかなか至難の業。吸いたい気持ちをコントロールして少しづつ減らしていくことからはじめてみましょう。

【紫外線】

紫外線を浴びると皮膚の細胞内に大量の活性酸素が発生し、肌の弾力やハリを保っているコラーゲンやエラスチンを破壊・変性させ、肌のシワやたるみの原因となります。さらに活性酸素による皮膚細胞の損傷を防ごうとして大量のメラニン色素が作り出され、その一部がしみとなって皮膚に残ります。日常生活で紫外線にさらされやすい皮膚は、活性酸素のダメージを最も受けやすい、つまり最も錆びつきやすい部分なのです。ムリな日焼けや長時間の日光浴はできるだけ避けましょう。お出かけ前に日焼け止めをしっかり塗るのがオススメです。

からだの酸化を防ぐ!抗酸化物質を摂取しよう

– 抗酸化物質とは?

活性酸素を取り除き、酸化の働きを抑える物質のことを抗酸化物質と言います。体は活性酸素に対抗する抗酸化酵素を持っていますが、食品から得られる抗酸化物質は体内にあるそれらの酵素を活性化させる働きがあります。

– 代表的な抗酸化物質と食品

抗酸化作用のある代表的な栄養素として「ビタミンA・C・E」「ポリフェノール」「亜鉛」などがあります。これらの栄養素が含まれる野菜や果物は健康増進に役立つ食品であり、抗酸化物質の豊富な供給源です。米国では野菜や果物の摂取を国民に推奨しています。食事から抗酸化物質を取り込むことは、活性酸素の作用を抑えるための有効な方法です。

ビタミンA

ビタミンAは脂溶性(脂質に溶けやすい)ビタミンのため肝臓に蓄積されるという特徴があります。目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めるなどの働きがあります。また、健康の維持・増進だけでなく美容やエイジングケアへの効果も期待できる栄養素です。

【ビタミンAを多く含む食品の代表例】

  • レバー
  • うなぎ
  • バターやチーズ
  • 緑黄色野菜 など

ビタミンC

ビタミンCは水溶性(水に溶けやすい)のビタミンです。抗酸化物質の中では活性酸素を除去する能力が抜群に高く、細胞膜の酸化を外側から守るなど、細胞外での抗酸化に働きます。体内にとり入れてもすぐに代謝され体外に排出されてしまうため、不足しがちなビタミンの一つです。毛細血管・歯・軟骨などを正常に保つほか、皮膚のメラニン色素の生成を抑えて日焼けを防ぐ作用や、ストレスやかぜなどの病気に対する抵抗力を強める働きがあります。

【ビタミンCを多く含む食品の代表例】

  • 赤ピーマン
  • 黄ピーマン
  • ブロッコリー
  • キウイフルーツ など

ビタミンE

脂溶性ビタミンであるビタミンEは細胞を酸化から守る重要な働きを担っており、老化防止にも効果があると言われています。細胞の中に入り込み、細胞膜の酸化を内側から守る作用があります。抗酸化によって自ら酸化するとビタミンEは壊れてしまいますが、ビタミンCによって再活性化されるため体内であまり減らないのが特徴です。

【ビタミンEを多く含む食品の代表例】

  • アーモンドなどのナッツ類
  • こめ油などの植物油 など

ポリフェノール

ポリフェノールは、植物に広く分布する苦味や色素の成分で、自然界に数千種類以上あると言われています。抗酸化作用が強く活性酸素を取り除く働きがあるため、活性酸素による健康や美容への悪影響を防ぐことが期待できます。水に溶けやすい性質があるため比較的短時間で作用しますが、効果は長期間持続しないので、毎日こまめに摂取しましょう。

【ポリフェノールを多く含む食品の代表例】

  • ブルーベリー
  • ぶどう
  • チョコレート
  • 緑茶 など

亜鉛

亜鉛は人のからだで重要な役割をはたす必須ミネラルの一つです。タンパク質の合成・細胞の成長と分化・遺伝子発現など、さまざまな酵素の材料として使われています。また、タンパク質を筋肉や骨・臓器・髪の毛などに変える働きをしていて、健康なからだ作りや子どもの成長期にかかせない栄養素です。亜鉛不足になると体にさまざまな悪影響が出ることがわかっています。

【亜鉛を多く含む食品の代表例】

  • 牡蠣
  • レバー
  • 牛肉
  • ホタテ
  • 玄米 など

抗酸化力のあるオススメレシピを紹介

こめ油には抗酸化ビタミンである「ビタミンE」だけでなく、ビタミンEの数十倍の抗酸化作用をもつ「スーパービタミンE」も豊富に含まれており、毎日の食事で手軽に抗酸化物質が摂れるのでオススメです。

レシピ1【小海老とブロッコリー・さつまいものフリッター】

1人分あたり 288kcal 塩分0.8g 調理時間25分
<材料>4人分
小海老   12尾
ブロッコリー 1/2株
さつまいも  小1本

A 小麦粉 カップ3/4
牛乳 大さじ8
こめ油 大さじ1と1/2
塩、こしょう少々

B 卵白 1と1/2個分
揚げ用こめ油
レモン

<作り方>

  1. 小海老は殻と背ワタ、尾を取る。ブロッコリーは小房に分け、さっとゆでる。さつまいもは2cm角に切り、さっとゆでる。
  2. ボールにAを入れ泡だて器で混ぜる。
  3. Bをボールにいれ角が立つまで泡立てる。
  4. 2.に3.の3分の1を入れ混ぜ、馴染んだら残りの卵白を入れさっくり混ぜ、1.の具につけ160度のこめ油でゆっくり揚げる。
  5. 器に盛りレモンを添える。

レシピ2 【牛肉とニラのスタミナ炒め】

1人分あたり 298kcal 塩分2.2g 調理時間10分
<材料>4人分
牛もも肉     300g

A 醤油、酒各大さじ1
砂糖  小さじ1
塩少々
小麦粉少々
こめ油  大さじ2
もやし       1袋
ニラ        1束
赤パプリカ     1/2個

B 砂糖、醤油、オイスターソース、酒各大さじ1

<作り方>

  1. 牛肉は食べやすい大きさに切り、Aをもみこむ。
  2. ニラは根元を落とし、4cmに切り、赤パプリカは1cm幅の細切りにする。
  3. 1.に小麦粉を薄くつけ、こめ油大さじ2でサッと焼き、取り出す。
  4. 残った油で2.の野菜ともやしをいれ、炒め、3.の肉をもどし、Bをからめる。

まとめ

私たちが酸素を利用して生きている以上、活性酸素を体に摂り入れることは避けられません。ヒトのからだは活性酸素を除去するシステムを備えていますが、それでも老化や病気を完全に防ぐことは不可能です。日々の食事で抗酸化物質を手軽に摂るなど生活習慣を少しずつ変えていくことで、サビにくい体づくりとエイジングケアを意識してみませんか?