ビタミンEの効果とは?必要な摂取量や多く含む食材をご紹介
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ビタミンEの効果とは?必要な摂取量や多く含む食材をご紹介
はじめに
サプリメントでおなじみのビタミンE。成分名「トコフェロール(Tocopherol)」はギリシャ語の「Tocos(子どもを産む)」、「Phero(力を与える)」に由来しています。
このビタミンはとてもポピュラーな栄養素なので名前はよく耳にしますが、具体的にどのような働きがあって美容や健康によいのか、1日にどの程度摂ればよいのか、どんな食材に多く含まれているのか知らないという方は多いはず。今回はビタミンEについてくわしくご紹介していきます。
ビタミンEの効果とは?
「若返り(エイジングケア)のビタミン」とも呼ばれるビタミンEには、抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける栄養素です。主に以下のような働きがあります。
- 血液の流れをスムーズにする血行促進作用
- 血中の悪玉(LDL)コレステロールの酸化を抑制する作用
- ホルモンバランスを整える作用
- 抗酸化作用
- 血管を健康に保ち、体内で発生する過酸化脂質の増加を抑える作用
脂溶性(油脂に溶ける)ビタミンであるビタミンEは、脂質とともに腸管からリンパ管を経由して体内に吸収されます。抗酸化作用が非常に強く、体の生体膜を構成する不飽和脂肪酸や他の脂溶性成分を酸化から守るために、細胞膜のリン脂質二重層内に存在しています。
他にもこんな働きが
抗酸化力の高いビタミンEは、他にも生体膜の機能を正常に保つことや、赤血球の溶血防止、生殖を正常に保つことに関与していると言われています。
天然由来のビタミンEを摂ろう
体内に分布するビタミンEのほとんどがα-トコフェロールであるため、厚生労働省の食事摂取基準では、1日に必要なビタミンEの量をα-トコフェロールの目安量で示しています。
ビタミンEの必要摂取量(推奨量)は、年齢(ライフステージ)によって異なり、食品やサプリメントのビタミンE含有量は包装ラベルにIU単位で表示されています。
※1日の平均摂取推奨量を、ミリグラム(mg)と国際単位(IU)で表示
※厚生労働省 統合医療情報発信サイト eJIMより
ビタミンE不足により起きる症状
ビタミンEが不足すると、神経や筋障害の症状がみられることがあります。そのため血行も悪くなり、冷え性や頭痛、肩こりなどを起こしやすくなります。また、抗酸化力が低下するため、肌を紫外線などの刺激から守りにくくなり、シミやシワができやすくなるリスクも。血液中のコレステロールも酸化しやすくなるため、これが血管壁に入り込んで溜まり動脈硬化の原因につながると言われています。
【ビタミンE欠乏により起こりうる症状】
<血行不良>
肩こり・頭痛・生理痛
関節痛・腰痛・冷え
循環器疾患
<生体機能調節の乱れ>
生理障害・更年期障害
生殖機能の衰え
自律神経失調症
<抗酸化力の低下>
過酸化脂質ができやすい(シミ・シワ・動脈硬化・生活習慣病の一因となる)
ビタミンEを過剰摂取したらどうなる?
ビタミンEは体内に蓄積しにくく、日常の食生活では過剰摂取がみられることはまずないため、積極的に摂りたい栄養素のひとつです。ただし極端に過剰摂取した場合は、出血が止まりにくくなる・骨量を減らし骨粗鬆症のリスクを高めるなどの可能性も示唆されているので、サプリメントや薬などからの摂りすぎには注意が必要です。
そのため、1日当たりの耐容上限量を下記のように設定しています。
<女性>
- 18~29(歳):650mg
- 30~49(歳):700mg
- 50~69歳:700㎎
- 70歳以上:650㎎
<男性>
- 18~29(歳):800mg
- 30~49(歳):900mg
- 50~69歳:850㎎
- 70歳以上:750㎎
ビタミンEを含む食品
ビタミンEは多くの食品に自然に含まれるだけでなく、酸化防止剤として食品に添加されることもあります。以下に挙げるさまざまな食品を摂取することによって、ビタミンEの推奨摂取量を満たせるでしょう。小麦胚芽油・ひまわり油・ベニバナ油・トウモロコシ油・大豆油など、植物油は最良のビタミンE供給源です。
米ぬかからできるこめ油(米油)はビタミンEだけでなく、スーパービタミンEと呼ばれるトコトリエノール(ビタミンEの約50倍の抗酸化力をもつと言われる)も多く含まれ、健康的な油として知られています。
※築野食品工業のこめ油は、14g摂取することで1日に必要なビタミンE(栄養素等表示基準値[18歳以上、基準熱量2,200kcal])を92%摂取できますので、毎日のビタミンE供給源としてもオススメです。
- ナッツ類:ピーナッツ・ヘーゼルナッツ・くるみ・アーモンドなどのナッツ類に加え、ヒマワリの種などの種子類も大事なビタミンEの供給源となります。
- 野菜類:ほうれん草・ブロッコリー・なす・西洋かぼちゃといった緑色野菜や、枝豆・アボカドなどにもビタミンEが含まれています。
- 魚介類:いくら・たらこなどの魚卵・うなぎ・青魚類など
他にも、朝食用シリアル・野菜ジュース・果物ジュース・マーガリン・その他スプレッド類などの食品には、ビタミンEを添加しているものがあります。ビタミンEが食品に添加されているか知るには、原材料表示を確認してください。
ビタミンEの効果的な摂り方
ビタミンEはビタミンCを一緒に摂ることで、相乗効果が得られます。
ビタミンEには体内の脂の部分を活性酸素から守る抗酸化の働きがあり、このときビタミンCが一緒に存在することで、錆(さび)取りをして疲弊したビタミンEをもう一度甦らせてくれると言われています。
植物油は、ビタミンCを多く含む緑黄色野菜(ピーマン・ホウレン草など)調理に非常に適しており、短時間で加熱調理することでビタミンCの損失が少なくてすむでしょう。
こめ油は抗酸化力が高いだけでなく、クセやニオイがほとんどないので食材本来がもつ美味しさを引き出し、料理の仕上がりを格段によくしてくれる優れた食用油。加熱にも強いので、緑黄色野菜を揚げて天ぷらにするのもオススメです。野菜でビタミンCを、こめ油などの植物油でビタミンEをしっかり摂っていきましょう。
まとめ
ビタミンEは抗酸化力が高く、実にさまざまな働きを持っているとても大切な栄養素です。私たちは、ビタミンEの約2割をサラダ油・ドレッシング・マヨネーズなどの「見える油」から摂っていると言われています。ナッツや野菜、魚介類だけでなく、こめ油をはじめとした良質の植物油を選んで積極的に摂り入れることで、しっかり健康管理ができるはず。まずは毎日摂りやすい食品からはじめてみませんか?