グルテンフリーとは?食品の見分け方や注意点をご紹介

つの食品健康課

読みもの_グルテンフリーとは

グルテンフリーとは?食品の見分け方や注意点をご紹介

はじめに

スーパーやコンビニエンスストア、専門店などでグルテンフリーと呼ばれる食品を目にする機会が増えてきています。築野食品で展開する国産こめ油(米油)と米粉のスイーツ「come×come(コメトコメ)」も小麦粉不使用のお菓子として、お買い求めくださるお客様が増えてきています。
小麦アレルギーの方だけでなく、健康志向の方やダイエット目的の方から注目を集める“グルテンフリー食品”。今回は「グルテンフリーの基本」や「グルテンフリー食品の見分け方や注意すべき点」をご紹介していきましょう。

そもそもグルテンって?

グルテンとは何か

グルテン(gluten)とは、小麦粉に含まれるグルテニンとグリアジンという2種類のたんぱく質が絡み合ってできたもので、粘着性(ねばりけ)と弾性を備えた物質です。小麦粉に水を加えてこねることで、この2種類のたんぱく質が結びついてグルテンとなります。加える水の量によってグルテンの粘弾性が変化するため、パンやお菓子、パスタやうどんなどの幅広い用途に利用されています。

グルテンの健康へのリスク

グルテンを利用してパンや麺類といった食品が生まれ、主食として世界中の人々に食べられている一方で、近年では小麦アレルギー・グルテン不耐症・セリアック病など健康へのリスクも取りざたされています。小腸に影響を及ぼす可能性が指摘され、お腹の調子が悪くなる・気分が悪くなる・倦怠感が生じるなど、心身の不調があらわれる方もいらっしゃるようです。
グルテンが原因による体調不良は、小麦粉不使用の食品を摂る「グルテンフリー」の食生活をすることで、体質の改善が期待できる場合もあります。気になる方は一定期間グルテンフリーを実践されて変化を見てみるのはいかがでしょうか。

グルテンを含む代表的な食品

  • パン・パン粉・うどん・素麺・ピザ・パスタ類(スパゲティやマカロニ、ラザニアなど)
  • 餃子の皮・ワンタン・焼売(シュウマイ)
  • カレーやシチューのルウ、洋菓子類(ケーキ類やクッキー・ドーナツ・カステラ・パンケーキなど)、ドレッシングやしょうゆなど一部の調味料

このようにグルテンは、パンや麺といった主食だけにとどまらず、さまざまな加工食品にも利用されています(「隠れグルテン食品」とも呼ばれるようです)。意識的にグルテンの摂取を控えようとしても気づかないうちに摂っている場合もあるため、原材料表示のラベルをよく読むことに加え、普段口にする食品が「小麦を含む商品と共通の設備で製造」しているかどうか(コンタミネーション※)を確認することも必要です。
※コンタミネーション:食品を製造する際に、原材料としては使用していないにもかかわらず、特定原材料等が意図せずして最終加工食品に混入してしまうこと。

グルテンフリーの食品を見分けるポイント

原材料表示を確認する以外には、GFCOが認証する「グルテンフリー認証プログラム(GFCP)」のマークがついた商品から判別することが可能です。GFCO(Gluten Free Certification Organization)は米国の認証団体(非営利組織)であり、現在は数千の製品を認証しており北米で最大かつ急速に拡大しているグルテンフリーに関する認証組織です。アメリカでセリアック病患者と他のグルテン関連疾病患者の協会により設立され、現在では世界中の企業の商品を認証するまでに成長しました

GFCOの認証マークは世界各国の消費者に信用されており、GFCOのロゴが付与されるためには最終製品に対して「小麦に含まれるたんぱく質の一種、グルテンが10ppm(0.001%)未満でなくてはならない」という厳格な認証基準が設けられています。セリアック病やグルテン過敏症などでグルテンフリーの食事療法を行う人々だけでなく、多くの消費者が十分な情報を得たうえで食品の購買を選択できるよう、安全性・信用性・信頼性を商標としてわかりやすく提示しています。

日本国内では、グルテンフリーの記載に関する明確な基準は今のところありません。米粉(こめこ)に関しては平成29年3月29日に農林水産省が「米粉製品普及のための表示に関するガイドライン※」に基づき、グルテンを含まない米粉製品の普及に向けた表示方法を公表しました。
※1μg/g(=1ppm)以下の米粉を「ノングルテン米粉」とする自主基準

グルテンフリーの食品

グルテンフリーの食品

代表的な食材は、お米を細かく砕いて粉状にした「米粉」です。お米は主食である「ごはん」としての食べ方を主流としてきましたが、パンやケーキ・麺などに加工した新しい食べ方が注目されています。
米粉の種類としてはもち米から作った白玉粉、うるち米から作った上新粉があり、米粉以外では片栗粉・大豆粉・くず粉・コーンスターチ・アーモンド粉・きび粉などがあります。ノングルテンでも食材によってはアレルギー表示対象の27品目に含まれるものがありますので、アレルギーがある方は食べる際に注意が必要です。

オススメのグルテンフリー食品

最初にオススメしたいのは、国産こめ油(米油)と米粉でつくったスイーツ「come×come(コメトコメ)」です。come×comeは小麦粉を使わないグルテンフリースイーツで、主原料の米粉とこめ油はどちらも『お米』だから、組み合わせの相性は抜群。お米の自然な甘みを味わえる、美味しくてからだに優しい焼き菓子です。
余計な添加物は使わずシンプルな原材料をチョイス。油特有のクセやにおいがほとんどないこめ油だからこそ、すべての素材の美味しさを余すことなく引き出しています。
「もちもち」「しっとり」「サクサク」など、スイーツによって米粉の食感の違いを楽しんでいただくことにもこだわりました。小麦粉を使わない製造室でつくっていますので、グルテンフリー食品を試してみたい方にぴったりのスイーツです。

主食として摂りたい場合は、米粉をつかったパンや麺(フォー・ビーフン)などがオススメ。米粉パンは「もちもち」「しっとり」の食感で食べごたえがあり、お米本来の自然な甘みをほんのり感じられる美味しいものが増えています。また、小麦粉のパンと比べるとさっぱり・ヘルシーだといわれています。
お米の麺は白く、透明感があってつるつると食べやすいのが特長です。フォーは主にベトナムでつくられており、鶏がらベースの温かいスープで食べられています。中華料理でおなじみのビーフンは、素麺のような細さで柔らかく食べやすいのが特長。焼きそばのように炒めたり、スープに入れて食べられています。

グルテンフリー生活を送るポイント

毎日の食生活をご飯中心に変えていくことは一つの大きなポイントです。白いご飯は飽きがこず、いろいろなおかずを美味しい「ご飯の友」に変える万能選手です。銘柄や栽培方法にこだわった美味しいお米を探して、米食からグルテンフリーをはじめてみるのもよいでしょう。
「毎日ご飯だと少し寂しい」と思う方は、パンや麺を米粉パンや米粉麺などの代替食品にしてみてはいかがでしょう。米粉にこだわらず、緑豆春雨や十割そばなど他の原料を使った食品に変えてみてもよいかもしれません。スーパーやコンビニなどの食料品店へ行くと、小麦粉が入っていないお菓子や調味料なども増えてきていますし、フルーツやヨーグルト、ゼリーなど元々グルテンが入っていない食品も多くあります。
※小麦粉不使用の食品でも原材料の一部として混ざっていることがあるので、必ず原材料表示を確認しましょう。

このように気軽にグルテンフリーの生活ができる環境は整いつつありますが、気づきにくい意外な落とし穴も…。気を付けたいのは「食物繊維不足」です。小麦には食物繊維をはじめとした栄養素が多く含まれており、グルテンフリーに偏った食生活を送った結果、栄養に偏りが起きて食物繊維が不足し、便秘などになるケースがあるようです。グルテンフリー生活をする場合は意識して食物繊維を摂るようにして、健康維持に努めてみてください。お米を玄米に代えたり、野菜やフルーツなどで補うのがオススメです。
魚やナッツ類に含まれるオメガ3脂肪酸(DHA、EPA)も積極的に摂取することで、より健康増進が期待できるでしょう。

まとめ

ノングルテンの食品の種類が増え、身近なお店で購入できるようになったこともあり、グルテンフリーの食生活は以前よりも気軽にできるようになってきています。米食中心にすることもグルテンフリーの第一歩となりますし、色々な米粉の食品を試してお気に入りの一品を見つけるのもよいでしょう。肉や魚、野菜・果物など、さまざまな食品と組み合わせてグルテンフリーを楽しんでみることで、苦にならず長続きできるかもしれません。
美味しい米粉のスイーツなら、自分へのご褒美として、普段のおやつとして気負わず試せますので、まずは第一歩を踏み出してみませんか?