ヌカチューさんぽ vol.09 益うどんDEKETACHI 葉山

ヌカチューさんぽ

2021年に横浜出身の店主 吉田さまが横浜元町で開業された「益うどんDEKETACHI(でけたち)」。現在は葉山にお店を移して営業中。演出家業を通して日本各地の美味しいものに出会ったことをきっかけに始められたお店ということで、今回は「益うどんDEKETACHI」のはじまりや、お店でも使われている、つの食品の山椒香味油についてお話を伺いました。

「益うどんDEKETACHI」開業のきっかけは演出家業から

吉田さまはコンサートやイベントなどをプロデュースされる演出家として活躍されています。その仕事を通して全国をまわり、各地の美味しい食を体験してきた中で、九州で出会ったうどんがとても美味しかったそうで“いつかはうどん屋さんをオープンしたい”と考えられていました。

そのいつかできたらいいな、という想いもまだ夢でしかなかった中、2020年に発生した新型コロナウイルスの影響によりエンターテインメントが縮小し、演出家の仕事がなくなってしまう状況に。エンターテインメントは、人が幸せな状況でないと評価がされないということを当時感じたと仰ります。しかし、食はそのような非常事態な状況下でも必要で大切だということを再認識し、すぐにうどんの学校に行き勉強をはじめられました。 うどん学校を卒業後、地元である横浜で「益うどんDEKETACHI」を開店。開店後からうどん店とは思えないカフェのような雰囲気からもすぐに人気店となりお客様が絶えなかったそうです。吉田さんは、落ち着いて、ゆっくりと楽しみながらうどんを食べていただきたいといった想いもあり、2022年末に葉山に移転をされました。

 

唯一無二の益うどんDEKETACHIとは

どこの地域のうどんなんだろう?と思いますが、どこのうどんでもなく唯一無二の「益うどん」。

その由来は「益々、美味い。至福の一杯を。」「益々みなさんがご発展していきますように。」といった願いが込められております。ちなみに店名にもある「でけたち」は“茹で上がったばかりのうどん”“できたて”を意味するそうです。

横浜での開店当初は枡にいれてうどんを提供されており、宝箱を開けたらうどんが出てくるようなイメージで提供されておりました。お客様により価値を感じていただけるようなうどんを作りたいと考え、うどんに使う食材やお客様がお好みで使う調味料にもこだわり、それぞれストーリーがありました。

 

最後まで楽しむうどん。山椒香味油との出会いと食材のこだわり

つの食品の山椒香味油との出会いは、以前、演出家業で和歌山に訪れられた際に、山椒香味油に使っているぶどう山椒の農園である「かんじゃ山椒園」さんにお会いしたのがきっかけとのこと。その出会いによって、“いつか開店するお店でこの山椒香味油を使ってみたい”と考えられ、DEKETACHIのメニュー考案時から、山椒香味油ありきのうどんを作られていたそうです。

今回は「名物 益うどん」をいただきました。

DEKETACHIのうどんは、南九州のうどんで見られるつけ麺スタイルを踏襲。うどんに使用している小麦粉は北海道産、出汁は1等級利尻昆布と2種類の鹿児島産鰹節で取られており、無添加です。この出汁に細くてもっちりしたうどんをつけていただきます。

細めでつるつるしたうどんがつけ汁の出汁と揚げ玉とよく絡まります。

はじめはそのままのつけ汁を楽しむのですが、途中にオリジナルブレンドの七味をかけて楽しんだり、後半はつけ汁に山椒香味油(お店での表記:山椒オイル)を1周ほど入れて食べます。するとまた違った、爽やかな山椒の風味とほんの少しのしびれが加わり最後まで食べる手が止まりません。

そして、残ったつけ汁も最後まで楽しみます。蕎麦湯のように、余ったつけ汁にどんぶりのうどんのお湯をいれて割り、筆者は追い山椒香味油を。爽やかなスープになり、すべて食べきりました。 うどんの量が少し多いかも?と丼を見たときは思ったのですが、お店おすすめの“美味しい食べ方”によってつけ汁を最後まで、美味しくペロッと食べられちゃいました。

つけ汁にはゆずが入っているのですが、その柚子は葉山で収穫されたものを使用されています。ゆず(トルツメ)農家さんは柚子の果実をジュースやジャムに使うため、皮は使わなくて余っていたとのことです。うどんにはゆず皮のみを使うので、農家さんも喜ばれたそうです。 他にも出汁をとったあとの昆布や鰹節は近くのおむすび屋さんの具材として使われていたり、地元の規格外の野菜も活用したりとなるべく食材を無駄にせず、循環していくようなうどん屋さんを目指されています。

見えていない部分にも食材への想いがあることを伺うと、より一層うどん一杯美味しく感じました。

 

エンターテインメントも、食も、 “お客様に楽しんでもらうこと”

コンサートを演出するのも、うどんをつくるのも一緒だと吉田様は仰られます。お客様がそれを通して喜んでくれたり、美味しいと思ったり、楽しんでくれたりが一番の嬉しいことで、演出も食も同じ目指すところと考えられます。

今後はまず、一人でも多くの方に益うどんを食べていただきたい。それは国内だけでなく世界に対しても提供をしていくことを目指されています。世界では日本食、出汁ブームも起きている中、益うどんDEKETACHIとその想いに共感いただける方と一緒に発信していきたいとお話されます。

国内では、DEKETACHIの出汁を使った異なる料理も考案中とのことで、この先の展開がとても楽しみです。

逗子・葉山に訪れた際は是非お立ち寄りください。

 

店舗情報益うどん DEKETACHI 葉山

【住所】神奈川県三浦郡葉山町一色1392-80

【電話】046-875-8891

【営業時間】

月・木・金曜日 11:00-15:00

火・水曜日 11:00-15:00/18:00-22:00

*土日は不定期営業